地方公務員への転職は?
2016/01/25
民間から地方公務員へ転職するには、主に次の2つのルートがあります。
国家公務員も地方公務員もこのルートは同じです。
ルート1 大卒程度試験(一般枠) |
ルート2 経験者採用試験 |
|
年齢 | 21~30歳未満 | 27~60歳未満 |
職歴 | 不要 | 必要 |
倍率 | 低い | 高い |
試験 | 学科重視 | 論文、面接重視 |
概要 | 現役大学生と同一枠で競う試験 | 民間企業における経験をいかに公務で生かせるかのアピールが重視される試験 |
出世 | 出世は普通(新卒者と同じ) → 係長になるまでに最短で10年勤続が必要な場合は、 新卒22歳入庁→32歳係長、と同様に、 既卒30歳入庁→42歳係長となる。 |
出世は早い
→ 民間採用枠は、採用の枠が異なるという大義名分があるので、勤続の要件が一般の採用枠よりも優遇され、民間経験枠採用30歳入庁→勤続4年で34歳係長といったことがありうる。 |
行政庁によって上記の表の内容はさまざまですが、一般的には、民間採用枠で入ったほうが、出世のスピードは早いでしょうね。
わざわざ民間から募った人材が40半ばでペイペイ、ってことになれば、受験者が集まりませんし、採用した意義自体がなくなってしまいます。
出世のスピードを早くし、遅れをとらないよう、配慮しているのです。
ところで、このサイトの掲示板や問い合わせページから、次のような質問を多くもらいます。
・ 仕事しながら勉強して間に合うか。
→ こればっかりは、その人じゃなければわかりません。模試や過去問受けるとか、分野を限定して勉強して、その部分の過去問を説いてみるとか、実際に当たってみて、あなた自身の感じる感覚で判断するしかないです。
それがわからない人は、合格は遠いので、間に合わない、すなわち合格は難しいでしょう。
・ 予備校はどこが良いか。
→ これも、一般的にはTACと東京アカデミーが評判良いですが(講師・カリキュラムの面で)、どの講師かにもよるし、実際に体験入学なりして、自分の目で確かめて、合う合わないを判断する必要があります。
中には、予備校行かずに合格する人もいます。ただ、こういう人は、人に相談するまでもなく、合格までの距離がつかめているので、予備校は不要という判断ができているのです。
話は変わりますが、民間採用枠の採用が始まって4~5年経ったあたりから「優秀な人材が集まらなくなった」、という話を複数の地方自治体の人事担当から聞きました。
公務員への転職を目指す優秀な人材がはけてしまい、人物のランクも、前職の企業のランクも、近年はかなり落ちている、というのが実情のようです。
民間採用枠は大したライバルがいないので、チャンス大といえるかもしれません。
しかし、近年、H25頃から、安定志向の高まりなどから、地方公務員人気は再燃してきています。
都道府県・政令市では、ほとんどの自治体が民間採用を実施しており、軒並み高倍率となっています。
AERAのH27年11月号に、興味深い記事が掲載されていました。
「そんな公務員人気の一方で、「採用」する側には悩みもある。安定志向で真面目な人材が集まりやすく、個性的でイノベーションを起こすようなタイプがなかなか来ないからだ。そんな中、一風変わった地方公務員試験があった。香川県東部にある三木町。10月中旬、4日間にわたり実施された来春入庁の町職員採用試験で、全国の自治体で初めて普段着による面接が行われたのだ。リクルートスーツは錦糸。47人の受験者は、チェック柄のワンピースやチノパン姿など思い思いのファッションで挑んだ。リュックサックを背負い、面接を受ける猛者もいた。私服面接の狙いは、マニュアル主義を捨て自分で積極的に考える人材を求めることにあったと、副町長の植松恵美子さんは言う。」
個性的でイノベーションを起こすようなタイプを求めて、この私服面接は行われたようですが、私は、かなり疑問を感じています。
役所の上司は、民間採用などなかった時代の職員がほとんどです。
凝り固まった頭で、様々なこれまでのしきたりにがんじがらめになって仕事をしてきています。
その上司の元で働く部下も、同じような働き方にならざるを得ません。
イノベーションなど起こそうとすると、
と一蹴されるのがほとんどです。
現在の民間採用もしかり。
イノベーションを起こしたり、何か大きなことをやってやろう、と民間から地方公務員に転職するのは、大きな疑問が残ります。
あくまで、民間採用で求められているのは、ノウハウ、そして、優秀な人材です。
「どんな仕事するの?」でも述べてますが、公務員の仕事は、一部例外はありますが、決まりきった仕事の繰り返しがほとんどなのです。
地方公務員への転職を考えている人は、自分自身がどのようなタイプであるのか、果たして、地方公務員の地味なやり方に染まることができるのかどうか、よーく考えて決断する必要があります。
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